· 

エンディングノート

今日はちょっと真面目な話です。

 

近年は医療の進歩により「がん=死」ではなく、長寿時代となりました。しかし、

人には「老い」や「死」は必ず訪れます。

私も何歳まで生きるんだろう。と考える歳になりました。父母の介護をしているとき、本当にこれが父母が望んでいる事だろうかという葛藤もありました。父母を看取り、また、看護師としての自信を取り戻し、訪問看護師として働きはじめました。(看護師としての自信喪失事件はまた後日)

 

しばらくして

あいちACPプロジェクト共有意思決定支援を学ぶ研修」を受講する機会に巡りあいました。

 ACPとはもし、余命が短いとわかったときどういう医療を受けてどう生きたいか患者が意思決定ができなくなる前に患者や家族、医療者と何度も話し合い、その方の最後をその方の意思決定にそって迎えることができるようにということです。研修ではその人生の最終段階を決める「人生会議」を進めていくためのノウハウをロールプレイングしながら学びました。

しかし、人生の最終段階を決める会議を他業種の面々が集まって行うことは、現場では難しいと私は思いました。その方の本当の気持ちを引き出す会話はよほどの信頼関係や話術がいります。私は、研修後フォローアップで実際に自分が行ったことをワークシートに記入しなければならなくなりました。週1訪問看護師の現場では研修成果を確認する機会はありません。私は何ができるか考えました。

 

 私は長い看護師生活と介護生活の中で、家族との人間関係はとても大切と感じていました。

家族に自分の思いがきちんと伝わっているんだろうか相手を思いやってしていることが実は相手には届いてないこともあるのではないかと。

 私にも「死」は訪れる。しかし「死」はいつ訪れるかはわかりません。生活の中で死ぬかもと思いながらの生活は苦しい。

でも、生きている限り、「死」は訪れる。「死」に向かいあうには「今」を大切に生きることだと強く思いました。

 

そこで、自分のことを記録しておくためのノートを作ろうと思いました。エンディングノートではない、生きていくための自分の気持ちをノートに記そう。「今、ここ」の気持ちを残そうと。

そして、「いき方ノート」の作成を開始しました。看護師仲間や、実際に介護をしている方とワークをし、仮のいき方ノートを使って83歳の脳梗塞罹患された方への聞き取りをしたり、再度ワークをしたりしました。その経過を研修のフォローアップシートに記入しました。無事に2月に研修は終了しましたが、このノートを使いたいと言ってくれる方が何人かいました。

 この研修に巡り合ったことが、還暦からの挑戦への後押しになりました。

えびこ庵「いき方ノート」を完成させて、人生の最終段階に、看取られ人と看取る人が、お互いに「ありがとう」って、

言葉が言えるように「生き方」と「逝き方」をみんなで一緒に考えたいと思う。